Book List
最近発売された
個人的に気になる本17選
AI・ビジネス書、新書、教養・古典まで、ジャンルを問わず選んだ17冊を紹介します。
最近発売された個人的に気になる本17選
本屋に行くたびに増えていく「気になる本リスト」。今回はその中から、AI・ビジネス書、新書、教養・古典まで、ジャンルを問わず個人的に気になった17冊を厳選してまとめました。前半は発売済みの本、後半はこれから発売予定で期待している本を紹介します。
目次
AI・ビジネス系
1. AI大格差――最先端の研究が明かす仕事と給料の未来
著者:宮本弘曉
AIによる格差は「仕事の中身が変わる」「AIの出力を見抜く力」「学び直せるかどうか」という三層で生まれると著者は説く。G7のAI専門家会合に日本代表として出席した経済学者が、技術革新と雇用の歴史を振り返りながら、生成AIの実力と限界、産業革命期の綿織物職人の教訓、そしてAGI時代の複数シナリオまでを描き出す。AIを使うか否かではなく、AIの出力を検証し最終判断を引き受けられるかどうかが分かれ目になるという指摘は、多くのビジネスパーソンに刺さるはず。学び直しの機会や労働市場の流動性、教育制度の整備が個人にも社会にも問われている。
2. MATERIAL WORLD――世界は「資源」で動かされる
著者:エド・コンウェイ
砂・塩・鉄・銅・石油・リチウムという6つの資源をめぐる人類史を、イギリスの経済ジャーナリストが世界各地の採掘現場を歩いて描く大作。ウクライナ・マリウポリの製鉄所、ペルシャ湾岸の巨大油田、台湾のTSMC半導体工場、大西洋海底のリチウム鉱床など、現代文明を支える物質の裏側を克明にたどる。刊行直後から世界的な話題となり、『エコノミスト』誌や『サンデー・タイムズ』紙の年間ベストブックにも選出された。佐藤優が監訳・解説を担当し、資源をめぐる地政学と歴史がどう現在のビジネスや国際情勢を動かしているかを読み解く。半導体不足や資源争奪戦のニュースの背景がクリアに見えてくる一冊。
3. AI中心の経営――The AI-Centered Enterprise
著者:Ram Bala
生成AIの企業活用は多くの場合、既存の業務にAIを付け足すだけにとどまっている。本書は、コンテキストを理解する「Context Aware AI」を軸に組織そのものを再設計する「AI中心の企業」への転換を提案する。著者陣はサンタクララ大学やIMDなど国際的なビジネススクールの研究者で、プロンプトエンジニアリングやRAG、ナレッジグラフ、エージェント型AIを組み合わせ、個々の従業員の思考パターンに適応するツールをどう構築するかを、Calibrate・Clarify・Channelizeという3つのCのフレームワークで解説する。AI導入を「戦術」から「変革」へ引き上げたい経営層・DX推進担当者に向けた実践書。
4. Empire of AI
著者:カレン・ハオ
OpenAIを社内から7年間取材し続けた元MITテクノロジーレビュー記者が、260人以上へのインタビューと内部文書をもとに描く衝撃のノンフィクション。理想主義を掲げて非営利で出発した組織が、いかにして巨大な権力と資本を集める「帝国」へと変貌していったのか。サム・アルトマンの人物像や取締役会による解任騒動の内幕、そしてAGIという壮大な物語の裏で進む労働搾取や環境負荷、グローバルサウスからの資源収奪までを容赦なく描き出す。2025年の刊行直後に全米ベストセラー入りし、全米批評家協会賞にもノミネートされた話題作の邦訳版。AI業界の「今」を知るための必読書。
5. なぜ「賢い人」が集まってしょうもない意思決定がなされるのか
著者:太田肇
「絶対に失敗するとわかっているプロジェクト」がなぜか全会一致で走り出す。「無駄だ」と全員が思っている業務がなぜか永遠になくならない。組織論の第一人者が、優秀な人材が集まっているはずの日本企業で繰り返される不条理の正体を解き明かす。会議室に漂う「本当のことを言えない空気」、コンプライアンス過多がかえって不正の温床になる皮肉、島型オフィスが生む同調圧力など、身近な疑問を切り口に日本型組織の構造的な無駄を丁寧に解剖。最終章では「イヌ型」から「ネコ型」マネジメントへの転換を提案し、閉塞感のある職場を変えるヒントを示す。
6. AIで終わる人 AIで化ける人
著者:中平健太
1000社・3000名超のAI導入現場に立ち会ってきた起業家が、同じAIツールを同じタイミングで手にしても「化ける人」と「終わる人」に分かれる理由を解き明かす。差を生むのはITリテラシーではなく、20の思考の対比で示される「思考のOS」だという。「自分の頭で考える」ことにこだわる自脳思考から、AIを外部の脳として使う他脳思考へ。完璧を求める姿勢から、賢い手抜きへ。著者自身の14回の事業失敗という実体験に裏打ちされた「Fail & Grow」の精神も貫かれている。本書自体、原稿の8割をAIにドラフトさせ、著者は経験と意思決定に集中するという「戦略的手抜き」を体現して作られた一冊。
7. 3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全
著者:本田淳也
社会保険労務士として3000件の職場相談に向き合ってきた著者が、部下も自分も消耗しないマネジメントの実践知をまとめた一冊。「優秀なマネージャーはあえて少し演技する」という視点から、負担を整える、メンタルを安定させる、支え合いを生む、働きがいを高めるなど、8つの切り口でリーダーの具体的なふるまいを解説する。「普通は分かるよね」という言葉が部下との距離を広げてしまう理由や、カスタマーハラスメントから部下を守る一言、飲み会を自由参加にしない理由など、現場感あふれるエピソードが満載。制度や理屈よりも日々のふるまいが職場を変えるという実感に基づいた、明日から使えるマネジメント指南書。
新書・教養系
8. 外国人患者――医療ツーリズムと日本の現実
著者:山田秀臣
東大病院国際診療部の副部長として長年、外国人患者診療と医療ツーリズムの現場に携わってきた医師が、日本医療のリアルな現状を描く新書。過去最多を更新し続ける医療機関の倒産と、過去最高を更新する国民医療費という危機的状況の中、訪日外国人患者の受け入れは病院経営を救う可能性を秘めている。米国・韓国・台湾・タイなど各国の医療ツーリズム事情との比較を交えながら、日本医療の強みと失われつつあるアドバンテージ、そして患者紹介ブローカーが暗躍する仕組みや、日本の健康保険制度が抱える脆弱性までを具体的に検証。国際医療の最前線で何が起きているのかを知る一冊。
9. 「もしも」で命は救えるか?――因果推論入門
著者:井上浩輔
「もし20歳から毎日ランニングをしていたら」「もし飲み会の後にラーメンを食べなかったら」。こうした「もしも」を科学的に検証する思考法が因果推論だ。京都大学の医師・疫学者である著者が、現実には観測できない「もう一つの結果」をデータで比較する「反実仮想」の考え方を軸に、ランダム化比較試験と観察研究の違い、時間とともに変化する状況の評価、AIと因果推論の組み合わせ、次世代の個別化医療戦略までを具体的な研究事例とともに解説する。健康情報やニュースを鵜呑みにせず、「それは本当に効果があるのか」を見抜く目を養いたい人に向けた、因果推論入門の決定版。
10. じつは残酷な「ほめ育て社会」
著者:榎本博明
叱らずほめて育てる。それが常識となった今の日本社会は、一見やさしく見えて実はとても残酷な社会ではないか。心理学者である著者は、ほめられ続けることで自分の弱点に気づく機会や、逆境から立ち直るレジリエンス、自分を客観視するメタ認知が育たなくなっている現状に警鐘を鳴らす。もともと意欲や能力が高い人はそのまま伸びる一方、そうでない人は誰からも発破をかけられず埋もれていく――ほめ育て社会は静かに格差を広げる選別装置になっているという指摘は鋭い。褒めることを全否定するのではなく、適切な摩擦や耳の痛いことを伝え合える関係性の大切さを説く、教育・人材育成の常識を問い直す一冊。
11. ストイシズム――何事にも動じない「無敵の心」のつくり方
著者:ウィリアム・B・アーヴァイン
人間関係の悩み、怒りや悲しみ、欲望、死への恐怖。二千年前の哲人たちはこうした悩みにどう向き合ったのか。ライト州立大学名誉教授で自らストア哲学を実践する著者が、古代ギリシャ・ローマのストア派の知恵を現代人向けに読み解く世界的ベストセラー。最悪の事態をあえて想像することで今あるものへの感謝を引き出す「ネガティブ・ビジュアリゼーション」や、コントロールできることとできないことを見極める技法など、シリコンバレーの起業家たちも実践する具体的なテクニックを紹介。怒りを笑いに変える方法や、他人の評価に振り回されない生き方まで、著者自身の気づきも語られる、人生哲学としてのストア哲学入門。
古典・学術系
12. 論語――現代に生きる中国の知恵
著者:貝塚茂樹
1964年の刊行以来、版を重ね続けてきた論語入門の古典的名著が、装いを新たに文庫化。中国古代史を専門とする著者が、当時の社会や時代背景を踏まえた独自の解釈によって、幾多の苦難を味わった人間・孔子の姿と、一本気な子路や秀才の子貢、夭折した顔回といった弟子たちの姿を生き生きと描き出す。学而編、為政編、里仁編など前半七篇を中心に、原文・訓読文・解釈の三本立てで名句を丁寧に紹介。孔子は単なる復古主義者ではなく、伝統を未来へと開いていく合理主義者でもあったという著者の解釈が新鮮で、堅苦しい注釈書とは一線を画す、親しみやすくも深い論語入門書。
13. 数学を哲学する
著者:スチュワート・シャピロ
数や集合といった数学的対象は、人間の心とは独立に「実在」するのか、それとも人間の心が作り出したものにすぎないのか。オハイオ州立大学教授で数学の哲学を専門とする著者が、プラトンとアリストテレスに始まる合理主義と経験主義の対立から、カントによる総合の試み、フレーゲやヒルベルトらによる論理主義・形式主義・直観主義、そして著者自身が提唱する構造主義まで、数学の哲学の歴史と最前線を丁寧にたどる定評あるテキスト。数学者が当たり前のように使っている概念の土台を哲学的に問い直す内容で、数学にも哲学にも「センス」が必要であることを実感させてくれる、骨太な入門書。
14. 10万年の世界経済史
著者:グレゴリー・クラーク
人類の経済活動の大半は、狩猟採集社会から1800年ごろまで続いた定住農耕社会まで、出生率と死亡率が長期的に釣り合う「マルサスの罠」という一つの法則に支配されていた。カリフォルニア大学デービス校の計量経済史家が、生活水準・出生率・平均余命・技術進歩といった膨大なデータを駆使し、なぜこの停滞が紀元前から1800年まで続いたのか、そしてなぜ英国を皮切りに一部の国だけが「大いなる分岐」を遂げて豊かになれたのかを解き明かす。スミス『国富論』やマルクス『資本論』、ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』に並ぶ人類の「ビッグ・ヒストリー」として世界的に評価された話題作。
新刊情報:これから発売される期待の3冊
15. 競馬の世界史――欲望と文明のビッグレース
著者:本村凌二 発売予定:9月10日
【新刊情報】人間が生み出した「最高の芸術品」とも称されるサラブレッド。この馬を競わせる近代競馬はイギリスで王侯貴族の遊びとして始まり、やがて「文明の象徴」としてヨーロッパからアメリカ、日本へと広がっていった。一方で賭博としての競馬は人間の欲望を刺激し、八百長や不正の誘惑も常につきまとう。古代ローマ史・地中海文明史の第一人者であり、長年の競馬ファンでもある著者が、アラブ馬を始祖とするサラブレッドの誕生から名馬エクリプスの伝説、フランスの凱旋門賞創設、そして世界最高峰に迫る日本競馬の躍進までを熱く描く。文庫化にあたり直近10年余りの動向も大幅増補。9月10日発売予定。
16. クルアーンの世界――語りかけるイスラーム
著者:小杉泰 発売予定:9月10日
【新刊情報】「誦まれるもの」という名を持つイスラーム唯一の聖典クルアーン。世界15億人以上が帰依するこの聖典は、そもそも書物として誕生したものではなかった。イスラーム学の泰斗である著者が、神の語りが正典として結集される過程から、紙と写本の帝国としてのイスラーム世界の広がり、そして現代にまで生き続ける聖典の力までを丁寧にたどる。後半では預言者ムハンマドの生きざま、聖地マディーナでの共同体形成、唯一神をめぐる世界観、イスラーム法と信仰儀礼の規定など、クルアーンが織りなす人間世界を具体的に読み解く。姉妹宗教であるキリスト教の聖書とも比較しながら、イスラーム理解への確かな橋を架けてくれる一冊。9月10日発売予定。
17. 所有権の誕生
著者:加藤雅信 発売予定:9月10日
【新刊情報】「みんなのもの」だったはずのものが、いつ「わたしのもの」になったのか。所有権は文字による記録が始まるよりも前に発生したため、文献研究だけではその起源をたどることができない。名古屋大学の法学者である著者が、文化人類学の知見を手がかりに、明確な土地所有の概念を持つ農耕社会、それがあいまいな焼畑農耕社会、そもそも土地所有権が存在しない遊牧社会や狩猟採集社会を比較しながら、所有権が生まれる社会構造を解き明かす。入会権という所有と非所有の中間形態や、知的財産権のような無体財産権の発生過程にも踏み込み、「権利」そのものの誕生を問い直す。学術文庫版では消費財の所有権についても新たに論じている。9月10日発売予定。
まとめ
AI・ビジネス、新書、教養・古典と幅広いジャンルから17冊を紹介しました。個人的に特に気になっているのは「所有権の誕生」です。法律を学んでいるので...
気になる本があれば、ぜひチェックしてみてください。


























![イシューからはじめよ[改訂版]――知的生産の「シンプルな本質」 イシューからはじめよ[改訂版]――知的生産の「シンプルな本質」](https://m.media-amazon.com/images/I/41aKmV5fmyL._SL500_.jpg)































